実家の父や母のひざや腰が痛くなった時にできること
こんにちは、神戸市西区の伊川谷整体院の坂田です。
最近、当院に通院されている患者さんからよくご相談を受ける内容なのですが
「実家の父が座っている状態が続くと腰やひざが痛いらしく、何か良い方法はないか?」
といったご相談をしてくださいました。
その時の具体的な内容とアドバイスさせていただいた事が同じお悩みをお持ちの方にお役に立てないかと思い、ブログに書かせていただきました。
もし、ご実家のお父様やお母様が現在、腰痛やひざの痛みでお悩みの場合、参考になるかもしれませんので良ければ読み進めてみてくださいね。
そもそもの原因は何なのか?
腰痛やひざの痛みが発生してしまうにも原因とされるものがあると思います。
骨折や捻挫、病気の影響や後遺症といった事を除外すると多くの原因は
①使いすぎ(疲労やダメージが溜まりすぎている、ケア不足)
②使わなさすぎ(筋肉の弱化、運動不足)
③使い方の間違い(不利な姿勢でいることや悪い姿勢でいる事、生活習慣)
この3つのいずれか、又は複数であることが考えられます。
そこで、1つずつ、解説させていただきたいと思います。
使いすぎの場合
こちらの、使いすぎが原因で痛くなってしまっている方は、お仕事が現場作業や農業など体を使うお仕事で生涯現役の方や、定年後、健康への意識も高く、スポーツジムにほぼ毎日通われていたり、ご趣味がマラソンや山登りの方に多く見られる傾向にあります。
また、女性の方ですと、ダンスのスタジオやスポーツジムのスタジオに週の半分以上通われている方も多いのかと思います。
使いすぎが原因の方へのアドバイスなのですが、簡単であり難しいのです、、、
矛盾した事を言っていると思われているとは思いますが、方法が「休養、ケアの時間を作る」という事だからです。
この使いすぎの方は基本的に忙しかったり、意識が高くストイックな方が多いです。
毎日積み重ねて運動やお仕事をされているからこそ「一日休んだらまた取り戻すのに時間がかかるのでは、、、」「毎日の日課みたいなものになっているから運動しないと気持ち悪い感じがする、、、」といった内容で休養する事に対して不安をお持ちです。
また、「運動が原因の軽度の疲労や痛みをさらに運動したり鍛えたりすることで緩和できたから大丈夫」という過去の成功体験(厳密に言うと違うのですが、、、)をお持ちなので、休養やペースダウンを受け入れてくれない可能性があります。
軽度の場合はまだ看過できるのですが、痛みや負担がなくなっている訳ではないので、ケアしないまま運動やお仕事を続けることで、負担が溜まり続け、体が負担に耐えきれなくなった時に、突然、坐骨神経痛やヘルニア、ギックリ腰、ひざに水が溜まるなどの無視できない症状や、いきなり動けなくなるような痛みに移行する可能性が高いので注意が必要です。
この使いすぎが原因の場合、休養や身体のメンテナンスをスケジュールの中に組み入れる事で解決できる可能性が高いです。
運動習慣がおありで、筋肉はしっかり使って鍛えられていると思いますので、休養やお身体を整えてメンテナンスする事で筋肉の回復や筋肉がつく効率が上がると思います。
鍛える事と休養や身体のメンテナンスすることがバランスよく行われる事で、長く良い状態を保つことが期待できます。
使わなさすぎの場合
こちらの、筋肉や身体を使わなさすぎる事で不調が出てしまっているパターンの方が一番難しいパターンとなります。
筋肉は重いものを持つ、壁やドアを押す、引く、ボールなどを投げる、バットなどをスイングするといったような、「力を外に放出する」ような役割を持っているのと「姿勢や身体が崩れないように支える」といった機能もあります。
人間の身体を構成する要素は少し大雑把に分けると、骨、筋肉、神経、血管、内臓、水分(血液を含む)といった感じです、
この中で、身体を支える支持機能があるのは骨と筋肉です。
そして、自分の意志や行動などで量を変化させられるのは筋肉だけです。
運動すると筋肉はさらに強くなるために太く強くなり、逆に運動をあまりしなかったり、使う機会が少なくなってくると、身体は「ここに筋肉はいらないんだ」となってしまい、筋肉は萎縮し少なくなってしまいます。
筋肉の量が多い状態と少ない状態ではどちらが体を支えるのに筋肉がしんどくなりやすいか想像つきやすいですよね?
少ない筋肉でも身体が崩れないように支えなければいけないため、筋肉は通常以上に疲弊して、硬くなった方が少ない筋肉でも支えやすいとなりますので、筋肉が凝ってしまったり、硬くなってしまいます。
この状態が長く続いてしまうと、血行が悪くなり、筋肉に栄養や酸素が届きにくくなります。
筋肉はタンパク質や血液に含まれる酸素や栄養素を利用しているので、血行が悪くなることは筋肉が回復しにくくなります。
そうすると疲れが溜まりやすくなって動きにくくなったり、動くのがしんどくなりやすいので動かなかったりします。
動かないとさらに筋肉の量が減ってしまい、、、
といったように身体や筋肉にとって負のループにハマってしまうのです。
このような運動習慣が少なく、使わなすぎが原因の場合、少しずつでもいいので、運動する習慣を生活の中に取り入れていくことが重要です。
運動習慣といっても、最初は自宅の中でできるようなエクササイズから始められる方が良いかと思います。
いきなりスポーツジムや健康体操に、、、となると、ハードルが高い気がしますので、気長に少しづつ促していき、実践してもらうことで少しづつ改善に向かっていくかと思います。
最初は運動やエクササイズはしんどいしやったことがないので疲労が溜まるとは思いますが、筋肉が発達すると普段の動作や生活が楽になってくるので、軌道に乗ったらご自分から積極的になってくれる事も多いです。
使い方の間違いや環境が原因の場合
いくら、休養を取ったりメンテナンスに気を使っていたり、体を支える筋力を強化するために運動を行っていても、普段の姿勢や生活環境が悪いと、痛みが出る確率は上がってしまいます。
「特にこれと言って何もしていないのにずっと腰とひざが痛い」
といった方は自宅や仕事場の作業環境が悪い可能性があります。
よくある改善例をお伝えします。
読書やテレビ鑑賞、手芸が趣味の方
このように、集中して長時間座った状態で何時間か同じ姿勢になってしまう環境の方へのアドバイスとしては、可能なら20分~30分に1回は立ち上がって背伸びをしたり、屈伸や軽い整理体操ををすると良いかと思います。
人間の身体は立ち、座り、寝る、といった基本的な姿勢がありますが、どの姿勢にしても長時間同じ姿勢を崩せずにじっとしていることが筋肉、関節にとって負担がかかるので、就寝時を除いて、起きている時間は、「座りっぱなし」という状態をできるだけ避けるようにするのが良いかと思います。
また、過去に座り方のコツについて書かせていただいているので合わせてご覧くださいね↓
https://ikawadani-seitai.com/archives/8059
動き始めに痛みが良く出てしまう方の場合
このお悩みは股関節やひざが動き始めに痛くなってしまう方への対策法なのですが、普段の生活で台所で立ちっぱなしの姿勢で過ごしている時や、椅子やソファに腰掛けている時に、「足のむきが平行になるようにする」事を意識して過ごしてみてください。
ひざや股関節が痛くなってしまっている方の多くの方が足の向きが両方の足、もしくは片方の足で八の字、もしくは逆八の字になっています。
足の向きがそのようにねじれたような状態で過ごしていると、足の上にあるひざは当然ねじれてしまい、さらにその上にあります股関節もねじれた状態となってしまっています。
ねじれた状態で固まってしまった状態から立ちあがろうとすると、ひざや股関節に激痛が走ったり、力が入らなくなったりしてしまいます。
動作の中でも、「ひざが内に入っているが、つま先が外側を向いている状態」になるケースが多い方は、ひざにとって負担がかかりやすい姿勢であるので、動く時には注意が必要です。
家の中の環境を変えた方が良いケース
健康に気を配っていてもお家の環境によって腰が痛くなってしまっている事もあります。
この、環境面で一番多い改善例なのが、「和式な環境から洋式な環境に変える」事です。
和室や畳の上での生活、これはもちろんとてもいい文化ですし落ち着く環境だとは思いますが、腰やひざの調子が良くない方が地べたで長時間過ごすのは辛いものがあると思います。
地べたで過ごすには、正座、あぐら、長座(足を伸ばして座る姿勢)、三角座り、お姉さん座り、あたりになってくるとは思いますが、どの姿勢も腰やひざが悪い方は長時間はとりにくい姿勢ではあると思います。
可能なら、腰かけや椅子を利用して、上にあげたような姿勢はとらない方が腰や股関節、ひざの事を思ったら優しいのではないかと思います。
わかっていてもやってもらうのは難しい
おそらくこの記事を読んでくださっている方は父母を心配されている方だとは思うのですが、ここまでにあげた原因や解決法について、読んでくださっている方がいくら理解されていても、実際に行動を起こしてもらうのはお父様、お母様ですので、なかなか受け入れてもらえないことが多いです。
それはなぜかというと、結構多いことなのですが「身内のアドバイスや助言は正しくても本人に響かないことが多い」からです。
すぐに受け入れてくださらなくてもあなたが本気で心配して寄り添っていく事で、あなたの助言を受け入れてくださると思いますので根気強く頑張ってみてくださいね。
専門家に託すのも一つの方法です
お父様やお母様の腰やひざの痛みが強く出てしまって悩まれている場合や、原因が何なのか?どうすれば良いか判断しにくい場合は、お父様やお母様のお住まいの地域の専門家に託す事も選択肢の中にあっても良いのかなとは思います。
ただ、実際に行ってみないと良いかどうかわからない事もあります。(合う合わないもあるとは思いますので)しかし、同業者目線で行く前からこのような整骨院や整体院は避けておいた方がいいとわかるポイントもありますのでその辺りは聞いていただければ院選びの一助になるかとは思いますのでお気軽にご相談くださいね。