歩くとすぐ疲れてしまう方必見!伝統的な歩法「ナンバ」
こんにちは、神戸市西区の伊川谷整体院の坂田です。
2月ももう10日で、あっという間に3月になってしまうのでしょうね。
さて、もうすぐ春が近づいてきているのですが、暖かくなるとお散歩やハイキング、登山、旅行などと色々お出かけしやすくなりますね。
でも、長時間歩くと腰や背中、ひざが痛くなってしまう。腰やひざが痛くなるわけではないけどすぐだるくなってしまったり、すぐ疲れてしまう。
といった方も多いのではないでしょうか?
整体で身体を整えるのももちろん有効ですが、それに合わせて「歩き方」を見直してみてはいかがでしょうか?
歩き方の歩法は様々ありますが、今回は江戸時代の日本人が使用されていたとされる伝統的な歩法である「ナンバ歩き」についてご紹介していこうと思います。
歩くとすぐ疲れてしまう方や、痛くない方でも取り入れることでパフォーマンスアップにつながるかもしれませんので読み進めてみて下さいね。
ナンバ歩きって
ナンバ歩きとは、右手と右足、左手と左足を同時に出す歩き方のことを指します。江戸時代までの日本人が一般的に行っていた歩行法とされ、武士や飛脚、職人などが自然に実践していたと言われています。飛脚は一日に数十キロ、場合によっては100キロ以上を走ることができたと言われております。しかし、明治時代に西洋式の歩き方(交差歩行)が広まり、ナンバ歩きは徐々に忘れ去られていきました。
実は近年では、このナンバ歩きが身体への負担軽減や運動効率向上の観点から再評価されています。平成15年の日本選手権大会でアジア新記録を出した末續慎吾選手がナンバ走りの動きを意識して走ったと語られ、ナンバ歩きやナンバ走りが有名になりました。本記事では、ナンバ歩きの歴史的背景や、現代人におけるメリット、具体的な練習法について解説します。
ナンバ歩きの歴史的背景
ナンバ歩きの特徴は、「体をねじらない」「軸をぶらさない」「腕と足が同じ側で動く」という点にあります。この歩き方は、日本の着物文化や武道、農作業などと密接に関係していました。
たとえば、江戸時代の飛脚は長距離を走る際にナンバ走りをしていたとされ、効率よく疲れにくい移動法として利用していました。また、歌舞伎や能の演者もナンバ歩きを基にした動作を取り入れており、日本の伝統文化に深く根付いていたことがわかります。
しかし、明治時代に西洋の軍隊式行進が導入されると、交差歩行(右足を出すときに左手を振る歩き方)が主流になり、ナンバ歩きは次第に廃れていきました。
ナンバ歩きの現代的な有用性
①身体への負担軽減
ナンバ歩きは、体幹をひねらずに前進するため、関節や筋肉への負担が少なくなります。特に、高齢者や運動機能に不安のある人にとっては、膝や腰への負担を抑えながら安定した歩行ができる点がメリットです。
また、現代人はデスクワークやスマートフォンの使用によって猫背になりがちですが、ナンバ歩きを意識することで、姿勢を正し、自然な歩行ができるようになります。
②エネルギー効率の向上
ナンバ歩きは「無駄な動きを減らす」ことに優れています。通常の交差歩行では、体を左右にねじる動作が入るため、エネルギー消費が増えます。しかし、ナンバ歩きでは体をねじらず、足と手が同調して動くため、スムーズに推進力を得られます。
このため、長時間歩く際や、疲労を最小限に抑えたい場面では、ナンバ歩きを取り入れることで持久力を向上させることができます。
③スポーツや武道への応用
ナンバ歩きの動作は、剣道や柔道、空手などの武道にも応用されています。武道では、体幹を安定させた状態で力を発揮することが重要ですが、ナンバ歩きの歩法はこの動作と共通する要素を持っています。
また、最近ではマラソンやトレイルランニングの分野でも、ナンバ歩きに近い走法を取り入れることで、エネルギー消費を抑えながら長距離を走る技術が注目されています。
ナンバ歩きの実践方法
ナンバ歩きを実践するには、以下のポイントを意識してみて下さい。
①腕と足を同じ側で動かす
右足を出すときに右腕を前に、左足を出すときに左腕を前に出します。
②上半身をひねらない
腰をひねらず、骨盤をまっすぐ保つことを意識します。
③足裏全体で地面を踏む
かかとからつま先へと体重移動するのではなく、足裏全体で地面をとらえるように歩きます。
④小さな歩幅でリズムよく
大股ではなく、小さめの歩幅でリズムよく歩くことで、スムーズな動作が可能になります。
最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくると自然に歩けるようになります。特に長距離を歩く際には、ナンバ歩きを意識することで疲労感の軽減を実感できるでしょう。
まとめ
ナンバ歩きは、日本の伝統的な歩法でありながら、現代の私たちの生活にも多くのメリットをもたらします。関節への負担軽減、エネルギー効率の向上、スポーツや武道への応用など、さまざまな利点があることが分かりました。
日常の歩行や運動にナンバ歩きを取り入れることで、より健康的で効率的な体の使い方が可能になります。これを機に、ぜひナンバ歩きを試してみてはいかがでしょうか。