マイオカインと運動の関係
こんにちは、神戸市西区の伊川谷整体院の坂田です。
秋晴れのいいお天気で気温も下がってきて過ごしやすくなってきましたね。夏場は運動するには厳しいぐらい暑かったですが運動も始めやすくなってきましたね。
さて、皆様は「マイオカイン」という言葉を聞いた事はありますか?
散歩や運動をした後疲れているはずなのに身体も気持ちもスッキリした感覚になったことはありませんか?
このスッキリ感、マイオカインが関係しています。今回の記事では身体と心の健康維持に欠かせない物質である「マイオカイン」というホルモンについてお伝えしていきます。
マイオカインとは?
マイオカインとは、筋肉から分泌されるホルモンなどの総称でここ20年ほどの研究で明らかになった物質です。適度な運動は身体に良いといわれていますが、その根拠となるのがマイオカインの分泌が促されるからです。マイオカインは現在わかっているだけでも数十種類あるといわれています。
マイオカインには糖尿病や高血圧、脳血管障害、生活習慣病を抑制する働きのほか、イライラや抑うつ状態の改善、メラニン生成の抑制やシミ、シワができにくくなるなど、アンチエイジング効果も期待できるそうです。
しかし、マイオカインは良い働きをしてくれるものだけではありません。加齢によって分泌される「加齢誘発性」マイオカインは体に悪い影響を与えることがわかっています。
他のマイオカインは運動時に分泌されることに対し、加齢誘発性マイオカインは運動していない平常時でも分泌されますが、加齢誘発性マイオカインは運動によって分泌を抑制することがわかっています。
そのために、心身ともに健康でいるためには定期的な運動習慣が重要となってきます。
マイオカインの健康効果
1、代謝の促進と肥満予防
運動時に分泌されるマイオカインは、脂肪燃焼を促進し、体脂肪の減少を助けます。
2、抗炎症作用
マイオカインは炎症の反応も抑制する役割を果たします。特にIL‐6というマイオカインが運動後に一時的に増加して炎症を抑える抗炎症物質として働いてくれます。この作用は、慢性的な炎症状態を軽減し、糖尿病や心血管疾患のリスクを減らしてくれます。
3、筋肉量と骨密度の維持
IL‐15というマイオカインは筋肉量を維持し、骨密度を向上させる効果があります。これにより、サルコペニア(筋肉減少症)や骨粗鬆症のリスクが減少し、健康寿命が伸びる可能性があります。
4、認知機能の向上?
最近の研究ではマイオカインが脳に対しても影響を与えることが示されています。特にアイリシンという物質は、脳の神経細胞の保護や新生に寄与し、認知機能の向上やアルツハイマー病の予防につながる可能性が示唆されているそうです。
運動習慣とマイオカイン
運動がマイオカインの分泌を促進することは明白ですが、どのような運動が効果的かという点も重要です。以下に運動の種類とマイオカイン分泌の関係を示します。
1,有酸素運動
ジョギングやサイクリングなどの有酸素運動は、持続的な筋肉の収縮を伴うため、マイオカインの分泌を促します。特に、IL-6やアイリシンが多く分泌されることがわかっています。有酸素運動は、全身の脂肪燃焼や心肺機能の向上に加えて、代謝調整に重要な役割を果たします。
2,レジスタンス運動(筋トレ)
筋肉に高い負荷をかけるレジスタンス運動は、筋肉量の増加や骨密度の維持に効果的です。これにより、IL-15などのマイオカインが分泌され、筋肉や骨の健康が促進されます。特に高齢者にとっては、筋肉減少を防ぐために筋トレが重要です。
3,高強度インターバルトレーニング (HIIT)
短時間で強度の高い運動を行うHIITは、マイオカイン分泌を最大限に引き出すとされています。心肺機能の向上だけでなく、脂肪燃焼効果も非常に高いため、時間のない人にとって効率的な運動方法です。
マイオカインを増やす食べ物やサプリ
マイオカインはアスタキサンチンを摂取することで分泌が促されるという報告もあります。
アスタキサンチンは筋肉のもととなるタンパク質を生成し筋肉をつ強くするほか、運動によって傷ついた筋肉を修復する効果にも優れています。
この、アスタキサンチンは鮭やエビ、カニに多く含まれています。また、アスタキサンチンはサプリメントとしても市販されているので、サプリメントから摂取するのも良いでしょう。しかしながらマイオカインの分泌は運動が基本となる為、食べ物やサプリメントだけに頼るのではなく、一緒に運動も行いましょう。
運動が苦手でも少しずつ取り組むと良い効果も
ここまで説明してきたマイオカインですが、運動で分泌されることはわかってもらえたと思うのですが、問題は運動を行う事が苦手であったり、行う時間がとれない場合です。
そこで、簡単な運動や意識から始められる事をおすすめしています。こんな事から始められてみてはいかがでしょうか?
1、ラジオ体操を始めてみる
2、毎日10分ほど歩いてみる
3、歩くときのスピードをいつもより早くしてみる
4、いつもより大股歩きをしてみる
5、エスカレーターやエレベーターではなく階段を使ってみる
といったように日常生活のなかでも工夫できることがたくさんありますので、小さな事から始めてみましょう。
今回はマイオカインについて書かせていただきましたがいかがだったでしょうか?
聞きなれない言葉かもしれませんが、私たちが健康でいるための今後、重要となる要素かもしれません。
無理のない範囲で運動を行ってスッキリしましょう。